2010年7月9日金曜日

The Cove - An interesting study in intercultural (mis)communication



The above video is just the trailer.

You can see the whole film in a limited number of theaters in Japan, but since there have been threats of disturbance (See Japan Times) against theaters that show it, it is being shown for free on documentary websites online. I assume this is being done legally with the support of the producers.

See the whole film online here. There is some interruption during the film to ask for becoming a member of the online movie site, but you can see it to the end if you wait an hour. Also, there seems to be a workaround to see the whole film straight through.



この映画に関しては日本語で書きましょう。

確かにCoveは衝撃のドキュメンタリーです。イルカや鯨好きな文化圏で歓迎される理由が分かります。

内容は短く言えば、イルカ好きの人が気持ち悪くなるようなイルカ猟の映像を巧みに盗撮するストーリーです。映画の大半は撮影に反対する太地町の漁業組合の人の目を盗んで隠しカメラなどを設置し、その映像をどう手に入れたかの「英雄伝」が殆どです。イルカ猟のシーンはかなり短いですし、他の動物愛護団体の強烈な牛や豚の映像に比べ、それほど強烈ではありません。しかし、イルカが好きな人にはとても残酷に見えることは間違えないです。

見終わると複雑な気持ちになります。私も日本育ちだからでしょうか。

私は「隠された真実」が表に出ることは賛成なので、批判的思考が可能な大人なら誰もがCOVEを見るべきだと思います。しかし、「この映画のメッセージを受け止めろ!イルカ猟を今やめろ!」という意味では支持できません。そういう説得力はありません。あまりにも一方的で感情的な論が映像で展開され、イルカ猟に携わる方々を残酷な悪人扱いしている点が好きになれません。もう少し文化の違いについての理解があってもいいと思ってしまいました。問題を客観的に考えようというドキュメンタリーは好きですが、価値観を感情的な映像で押し付けようとするドキュメンタリーは質が低いとしか言えないと思います。

もし学生とこの映画を話し合う機会があれば、異文化で自分が感情的に反対する行為がある場合にどうるするか?反対されたらどう反応するか?という視点から話し合うと思います。

もちろん、かわいいイルカがモリで刺されて死ぬシーンは嫌なものです。必用ないのではないか?と思う部分もあります。しかし、肉食な人間としては、牛、馬、ウサギなど、殺さずには食べれないわけで、反対の最大の根拠である「イルカが知能的に特別」という論は感情的には「そうかも~」と思っても、理性的には厳しいものがあります。知能レベルはどこから「特別」になるのか。馬?犬?狐?豚?まぐろ?

では、イルカ追い込み猟はやめるべきか?道徳に反するか?

これを理性的に話し合うことはできないと思います。宗教を議論するようなものです。あくまで文化や個人の経験に形成されたな感情で「やめるべき」とか「自由である」となるでしょう。そういう意味で、和歌山県太地町の方にとっては迷惑で残念な一方的なドキュメンタリーです。ドキュメンタリーが様々な人の感情を掻き立てたら、彼らは普通だと思っている伝統の猟が妨害されたり、反対されたりするわけですから。

しかし、同時に思うのは事実は事実ですから、撮影には反対しなくても、「必用」な猟なのであれば誇りをもって世界に見せ、説明したらどうなんでしょうか。以下の和歌山県の説明は英語にして世界に発信すべきなのではないでしょうか。

和歌山県の資源管理課の見解ページにはある程度納得の行く説明があります。
http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/071500/iruka.html

最後に、人間の生活に「必用」であるならば、猟を続けることは決して道徳に反していると思いません。ただ、もしイルカ猟に関して太地町の漁師の人たちに何か改善点を求めるとすれば、やはり必用以上にイルカが「苦しむ」猟の方法はやめて欲しいなと思います。Coveの中でもっとも強烈なのはもがき苦しむイルカたちです。哺乳類の中でも知性はあるようですから、魚とは違う扱いをしてもよいのかなと思います。豚や牛や馬を殺す時は瞬時に死ぬようにしているわけですから、イルカや鯨もその配慮があるべきではないでしょうか。

3 件のコメント:

  1. こんにちは。この映画についてひとつ知っておかれるべき情報がございます。いちおう事実ですので、ご面倒かと思いますが、読んでみてください。なかなか表に出てこない情報でして、この程度のことならネタバレにはならないと思いますので、失礼してコメントさせていただきます。

    入江にサーフボードで不法侵入をして太地町の漁師に追い出されて泣いている女性活動家の2人、サメに襲われた時にイルカに救われたとコメントしているプロサーファー、重要な証言を行なっているオーストラリアの元閣僚はシー・シェパードのメンバーです(シー・シェパードの公式サイトに書いてあります)。「グリーンピース共同設立者」(だったかな?)という肩書きで出てくるポール・ワトソンさんはシー・シェパード代表です。製作のOPSはシホヨス監督が2005年に共同設立した非営利団体で、シー・シェパードと協力関係にあります(参考:OPSの公式サイトのキャッシュ http://is.gd/dnyIE ※現在このページは修正されています)。

    以上です。読んでくださってありがとうございました。もしすでにご存知でしたらお許しください。

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  2. みなみさん、コメントありがとうございます。Sea Shepherdの抗議方法は時に違法行為や危険行為を含むようで、私もそれには反感を覚えます。抗議や撮影は自由であるべきと思いますが、合法的に行われている捕鯨猟の妨げは違法行為として取り締まられるべきです。

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  3. こんにちは、NYで美容師をしているものです。Markさんのブログを見てすこし聞いていただきたいことがあります。

    先日、お客様でこの映画を見たという話題になりました。
    僕は全然このドキュメンタリー映画を知らなかったので内容を聞いたときに衝撃的でした。そのあとお客様に「この映画を見たら日本人が嫌いになった」といわれました。お客様ですが、少し複雑な気分になりました。毎月欠かさずお越しいただいてとても良い方なのですがそういう風に思われるとはと。自分はこの方に一生懸命髪の毛を切っているのになって。たぶん、勘違いしているだけだとは思うのですが、誤解をとけるだけの自分に英語力と国際的な思考感覚がなく、勉強しなきゃなって思いました。もうI hate japaneseと言われたくないです。

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