2011年3月31日木曜日

英語と就職、出世、お金  President誌 2011 4.18

企業の英語公用語化の問題に興味があったんで買ってみた。
完全公用化は無理があるようだが、部門によって英語・国際会議など部分的な仕事機能において英語を公用語にする企業が増えてくる気がする。

すると早稲田国際教養学部、秋田国際教養、明治国際日本学部などと共に「英語虎の穴」大学の一校としてICUが紹介されていた。

p. 105
「国際基督教大学 設立’53年 偏差値66 教養学部のみの単科大。教育水準はトップレベルと称される。英語は英語教育プログラム(一年次のほとんどと2年次の一部)によって学ぶ。英語が得意な学生でも恐れをなすほどスパルタらしい。」

確かにそうである。来るヤツは恐れをなしてこい!

しかし、「英語得意になって就職する」ことでICUに来ない方がよい。ここは注意が必要である。
まずICUの教育は「お金のいい就職をする!」ということを目標していない。
そういう気持ちで入学すると場違いになると思う。

英語のための英語は学ばないからである。入学のレベル分けでTOEFLを使うが、TOEIC・TOEFLの点数目標もなければ良い就職を意識した英語資格の授業も殆どない。スコアは身のある学術英語・教養英語(English for Academic Purposes, English for Liberal Arts)をやることで自然と伸びる。

でもどんなに英語が得意でも、社会問題についてじっくり調べ考え、自分の分析や意見を文献に基づいて論じる能力・意欲がないと単位はとれない。綺麗な英語を書いたかどうかの評価は成績のかなり小さな部分でしかない。

リベラル・アーツ「自由人の教養教育」は社会へ貢献する責任のための学びである。そのために必用な基礎知識、思考力、研究力、問題解決力、そして書面・口頭の表現力を鍛えている。中世の欧州で政治などを通して社会を動かす責任をもつ階級の「自由人」の教育は言いつけられた仕事をこなすための専門教育を習う「職人の教育」と目的・内容が違っていたことに由来する。

ICUで英語に力を入れているのは学生が日本と世界を結び、リーダーとして日本と世界の発展に貢献することを願うためである。そして英語教育の内容は英語環境でも日本語と同様に思考力、研究力、問題解決力、そして書面・口頭の表現力を発揮できる力をつけるためのものである。

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もうすぐ春学期スタート!学生も私のような講師も必死な毎日がやってきます。楽しみです。

2 件のコメント:

  1. I strongly agree your opinion on the article. Indeed, the score of TOEFL or TOEIC is important to exemplify the ability of Engish. However, the most important capability is one to gather information, understand difficult ideas, think critically, discuss logically, and present own idea clearly in English. Students should be required to attain non only english ability but also the ability to comprehend, analyze and express ideas if they want to accomplish their goal.

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  2. Thanks for your comment, Tetsuro. Since you have experience with a professional career prior to entering ICU, I think you have a good perspective for evaluating what is valuable to learn in college. I hope you can share that perspective with many of your classmates.

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